「ちょっと会長、それはあたしの荷物ですよ」
生徒会室の鍵を閉め、学校を出たあたしたち。
あたしはその荷物をどうするのかと怪訝に思い、取り戻そうと手を伸ばす。けれど会長はその荷物をあたしから遠ざけた。
「るっせーな。わかんねぇのか?」
「…は?何がですか。さっさと荷物返してください」
あたしは更にさぁ!と言わんばかりに手を伸ばす。でも結果は変わらず。会長は先に歩を進めた。
「ちょっとかいちょ―――」
「あーもう黙ってろよ。オレが荷物持ってやるって言ってんだよ。
それくらい分かれ。この鈍感女」
会長は何故か少しだけ頬を赤らめてさっさと歩いていく。でもその頬の色は見間違いだろう。なんせ、こんな闇の中だから。
てゆか鈍感女?意味が分からなさすぎる。あたしはむしろ察しがいい方なんだけど。
「それより会長、あたしと会長の家、正反対ですよ?荷物持ってもらったってすぐに返してもらわ…」
「あーっ!マジで分かんねぇの!?いいか?よーく聞いとけ!」
会長はずいっと顔を近づける。またキスされかねないと思ったけどその心配はなさそうだ。
会長の後ろに覗く綺麗な金色の月があたしたちを照らす。でもそれだけじゃ会長の表情は分からなくて。
会長は言った。
「オマエを送ってやるって言ってんだよ!気付けっ///」
「へ…?」

