そして放課後。


一番来たくない所に来てしまった。いや、生徒会役員だから来なければいけないんだけども。


「はあぁ…」


あたしは盛大にため息をつきながらドアノブに手を伸ばした。


「失礼します」


生徒会室に入ってみると…まだ誰もいない。


あの会長め。来いとか言っておいて自分が遅れるって何様だよ!なんだかイライラしてきた…。


イライラが収まりそうにないので…


「会長のバカーーーーーーっ!!!」


思いっきり、叫んでみる。


生徒会室は完全防音だからどれだけ叫んでも聞こえることはない。…あー。少しスッキリ。


もう一回叫んでみるか。よし。


「会長のバカーっ!遊び人ーっ!チャラ男ーっ!」


あ、ヤバい。これいいかも。誰もいないからいくらでも叫べる。


「誰もいないのをいいのに会長を侮辱かー…」


「そうなんだよねぇ。誰もいないから侮辱できるんだよ。まぁいつも毒舌かましてるけど」


「いつもの毒舌プラス、バカ?遊び人?チャラ男…?言って良いことと悪いことがあるだろ」


「別にいいでしょ。今いないし。本当のことで…」


…ここまで言ってあたしは思った。


あたしが今喋っているのは誰だ。しかもこの声、聞き覚えがありすぎ…


そーっと振り返ってみる。するとそこにいたのは…


「よォ初音。覚悟、出来てるよな?」


にっこりと黒い笑みを浮かべている会長が腕を組んで壁に寄りかかっていた。