やだ・・・。死なないで・・・。



 私を一人にしないで。



 ずっと一緒って言ったのに・・・。



 私の頬を涙がつたう。涙は流れたまま止まらない。



 私の腕の中にいる男は胸から血を流したまま、ぐったりしていて動かない。



 なんで紅いの?



 鉄の匂いが部屋に広がる。



 私の周りは紅く水溜りみたいになっている。



 その中で一人だけ立って私に笑顔を向けてくる男がいた。



 その男を睨みつける。