夢を見たいのだ。

例えばロミオとジュリエットのような。

そんな儚くて、だけど恋に恋してるような。

そんな恋がしたい。



「でね!そんな花梨のために!今日はこんなものを用意しましたー!」


私の考えてることなど知らない百合が、まるで手品師のような手つきで紙を2枚取り出した。


「…なにこれ」



星屑浪漫
一階席14D

…チケット?


「これ映画のじゃないよね。なんの?」


「舞台のチケット!この近くに劇場あるの知らない?舞台は3Dだし!近いし!ってかね、舞台面白いから!」


百合は舞台の説明を続ける。
今日観に行く劇団は、結構有名なもので、今回始めて大きな劇場で公演をするんだとか。

主演は有名な俳優さん。
連続ドラマとかにも出てたりしてたみたいで、チケットはなかなかとれないみたいで。

「というわけで!百合がチケットとってきたので、一緒に行きましょ!」


百合に誘われて、初舞台観劇。