私は、咲也くんを屋上に呼び出した。 「何、話って。早くして」 勇気を出すんだ! 「今日一緒に、帰ろう?」 「………………」 私はうつむきながら返事を待った。 ドキドキ…ドキドキ… 「いいよ」 確かに聞いたその言葉は、否定じゃなくて肯定の言葉だった。 「本当!?」 「うん、約束」 高校に入ってから、初めて咲也くんは私に笑顔を見せてくれた。