『ごめん……、すぐ帰ってくるから』





そういってわたしが部屋のドアノブを掴んだとき









『行くな……。』








大地が後ろから抱きしめてきた









『……行くなよ』










『でも……、大地……。真理が待ってるから行かなきゃ』










あたしが大地の手を振りほどこうとしたとき









――グッ!!









大地が腕に力を入れた










『離れないで……。』










『でも大地……、おかあさんが……。』










『おまえ……、自分を苦しめた母親にあいにいくのか?』










『うん』








そうだよ………。










『母親にあうのなら行かせないから。おまえにこれ以上傷ついてほしくないから………、行かせたくない』









大地……










その気持ちうれしいけど













あたし行かなきゃ……。