私の名前は神坂千里。国連軍の軍人だ。
私が国連軍に志願した理由。それは、3年前に起きたあの事件であった。


私が家族と共にイギリスに旅行に行っていた時である。
イギリスは、唯一semに関わる怪事件が発生していなかった国だった。
私達家族はイギリスでの楽しいひとときを過ごす筈だった。
しかし、起こったのだ。

怪事件が。

私が家族と離れた数分の内に。

轟音と共に地中から溶岩が吹き出たらしい。家族の体は跡形もなく消え去ってしまったのだ。
その時、私には何が起こったのか理解でき手いなかった。
ただ妹の名前を叫び、両親の名前を叫び、我も忘れて迫りくる溶岩に飛び込もうとしていたようだ。
目覚めた病院で、私はその事を教えてもらった。
semによって引き起こされた怪現象。それを生み出し、世界を混乱に陥れた中国を、私は許さない。絶対に許さない。
そう覚悟を決めて、国連軍に志願した。自衛隊には志願しなかった。
この期に及んで日本人は憲法9条の改正に反対し、自衛隊を違憲組織として叩いている。
全体ではないがそういった愚かな人間が日本にはいるのだ。
そんな輩の声を気にした、自分の政治生命しか考えていない馬鹿な政治家に、自衛隊を中国掃討戦争に派遣できる筈がないのだ。
だから私は最前線で活躍している国連軍に志願したのである。
これ以上、中国の魔の手により家族を失う悲しみを味わう人々を無くすために...