千里とクロウディアの活躍により、開発ペースが大幅に上昇したANSEMは既にロールアウト間近であった。
パラケルフィアに慣れていたベテラン達も、シュミレーターでおおまかな機動は把握している。
すなわち、ロールアウトすれば直ちに前線で活躍できるのだ。
既にANSEMを用いた作戦も立案されている。
その作戦こそ、この悪夢を収束させる王手となり得るものであった。
作戦名「雷神作戦」
ANSEMを用いて防衛戦付近で陽動を行い、semに指示を送っているであろう中国軍司令部付近の警備を手薄にした後、千里達の小隊は高度10万フィートから中国軍司令部に向けて投下され、その後司令部を制圧、semを止め中国に制裁を下すという旨の作戦である。
千里達が突撃部隊に選ばれた理由、それは、ANSEMの一番の使い手だと、そうみなされているからである。
千里は昂ぶっていた。世界に対し、ここまでの悪行を行ってきた中国に、遂に鉄槌を下す時が来たのだ、と。