「いえ、ではこれで。」 「あの!」 まだあんのかよ。 「良かったら連絡先を交換しませんか?今度ゆっくりお話したいし…。」 「えっと、それは…。」 考えていると誰かの叫ぶ声が聞こえた。 「おい、茉央っ!」 その言葉に俺は声がする方に振り返った。 茉…央…? てかあいつ誰だよ! 「春樹さん?」 「すみません、僕にはもう婚約を約束している相手がおりますので。 それではこれで。」 呆然としている彼女をおいて俺は茉央を追いかけた。