そろそろ茉央を連れて行くか。 「ま…」 はっ!? あいつどこ行ったんだよ! さっきまでいた机に茉央の姿はない。 あたりを見渡すと一際目立つ人だかりができていた。 なんだ、あれは? 近寄ると中には一人の女性がいた。 「すいません、人を待たせてるんで通して下さい。」 「そんな事言わずにどこの会社の人か教えてよ。」 おいおい、あの中にいるのは茉央じゃねえかよ。 「いや、離して下さい。」 あのやろう、茉央の腕なんか掴みやがって…! しかもあんな泣き出しそうな顔しやがって。