そうだ、一つ聞きたい事があったんだった。
「社長、一つ聞いてもいいですか?」
「いいが、社長は止めてくれ。」
「じゃあ…お義父さん。」
「あぁ、そっちで呼んでくれ。
で、何だね?
あっ、なんでこんな普通の家に住んでるか、かね?」
「…はい。」
「宏美はお金持ちのように暮らすのが好きではなくてね。
付き合って俺がお金を払おうとしてもいつもの止められたもんだ。『私も払います。』ってね。
しかも結婚する前に普通の生活じゃないと結婚しないと言うからね。」
…茉央もそれっぽい事を言っていたようなきがする。
「お父さん、準備できたからリビングに来てだって。
あと、お兄ちゃんも帰って来たよ。」
「直央はやっと帰って来たか。
春樹君いっぱい飲むぞ。」
「はい。」
やっと酒が飲めることでご機嫌なお義父さん。
「お父さんと何話してたの?」
「秘密だ。」
「…。」

