~Ⅰ~引越し 


山本 美那 あたしの名前だ。

特に、なにか凄い訳でもない。いたって、普通の女の子だと思う。

あたしは、クラスではそんなに人気があるわけではなかった。

普通に仲がいい友達がいて、普通に皆と接していた。


中学校生活最後の年。あたしは、中3で遠い所に引っ越すことになった。

親に引っ越すっと言われたときは、かなりショックだった。

慣れたここの町を離れ、遠い所に引っ越すなんて…


「優香と麻穂と一緒に卒業したかったなぁ…。」

「美那っ!そんな事言っても無駄だよぉ。決まっちゃった事だし…。」

「でも、やっぱみぃちゃんと一緒に卒業したかったなぁ…。」

あたしの友達、岡田優香と山口麻穂。

小学校の頃からの友達だ。

優香は、日頃気が強い。でも、いざっと言う時に弱い。

麻穂は、とても人に優しく、お人よしだ。涙もろい所も可愛い。

2人とも、すっごい良い友達。あたしが悩んでると、すぐ相談に乗ってくれる。


「でもさっでもさっ!?みぃちゃんまた遊び来るでしょ?こっちに!?」

「え…?あっうん。行くよ。優香と、麻穂んとこに遊び行く。」

「じゃーぁさーぁその時には…皆彼氏とか作ってたりしちゃって?ww」

「えーーっ嘘だーぁwwwなわけないよーぉ。あっ!でも、麻穂は、
このまま、俊平君と仲良くね?ww」

「当たり前だよぉ。麻穂は俊ちゃんと、仲良くこれからも一緒に…///」

「麻穂ーーっノロケはいらないよぉーーww」



麻穂は、他中に彼氏がいる。山崎 俊平。サッカー部だ。

あたし達が、サッカー部の試合を見に行ったとき、俊平君が麻穂に一目ぼれを
したらしい…?


優香は、最近別れてしまった。でも、優香は「いいんだっこれで。あたしは早く次の
恋見つけないとね。」

っと、言っていた。


そして、あたし。あたしは、彼氏なんか出来たことが無い。
好きになるのが怖いんだ。自分が傷つきたくなくて…


そんな、あたしでも、いつか彼氏が出来たらいいなぁっとは思っている…。