翔と出会ったのは、ちょうど3年前―――。




今日は、高校の入学式なんだ。

やっと私、“青空 にいな”は高校一年になります。

新しい制服、新しいカバン、新しい靴、もう何もかもが新しい。


もう私は、嬉しくて仕方なかった。


私は、自分で作った朝ご飯を食べ、支度をしている途中。

やっと制服に手をかける。

「変じゃないかな…?」

お母さんに見てもらうことにしよう。

そう思って下におりるとお母さんの姿はない。

「あれ…?」

寝室かと思って行くと誰もいない…。

まだ、帰ってないんだ…。

てか、ほとんどいない。

まぁ、いつものことだけど……ね。

でも、入学式くらい家にいてほしかったな。


私のとこは、お父さんがいない。

いわゆる、母子家庭…。

だから、お母さんは居酒屋で夜遅くまで働いている。

でも時々、帰ってきたかと思うとお母さんとお母さんじゃない声…。

男の人――。

階段を上がってくる音がする。
話声がする――。

でも、聞こえなくなる音と変わりに

“ガチャ、パタン…”


その音は、寝室に入る音。

五分もたたないうちに

「アッ、アン…、ン‥アァ」


お母さんの喘ぎ声‥。

聞きたくもないのに聞こえてくる。

「またか‥」