何も教えるつもりは無いようだ。こいつと君島との関係は一体なんなのか…。



「葵…」
『ん?』
「海ちゃんの事頼むよ」
『・・・』



 頭を下げられたのは初めてだ。



「上司として守ってくれ」
『そんな事は当たり前だ』
「その言葉を信じるからな」



 射抜くような視線から反らす事なく見つめ頷いた。



「あと…」
『何だよ』
「お荷物部署を何とかしてくれ」
『そっちの方が大変だ』



 それにはこいつにも一役買ってくれないと…。



「何でしょうか?部長様」
『頼みがある…』