別のざわつきに変わる。飴と鞭の使い方がやはり上手い。



「皆の力が必要なんだ。宜しく頼む」



 全員に向けて深々と頭を下げた。上司が頭を下げる事に驚き静まり返った。



 それに加えてイケメン。そんな人のお願いを無視する人は居ない。よし!私も頑張ろう!



―…
――…
―――…



『席を外す。急用時は内線の10番に回してくれ』
「「はい」」
『他はメモを残しておいてくれ』
「「はい」」



 これで奮起してくれて良かった。未だ腐りきってないという事だろう。



『営業部の佐原です』
「お待ちしております」



 秘書に通されると、あいつは早々に秘書を下げさせた。



「下村社長とのパイプを作ったな」
『未だ結果が出てない』



 此処で安心出来る連中じゃない。最後まで目を配らないと何が起こるか…。



「海ちゃん情報だな?」
『彼女は何者だ?』
「君島海ちゃん」
『名前は知ってる』