だが、言い返事を貰えるかは俺の腕次第らしい。



『今年は七五三ですよね?』
「そうなんだよ」



 この辺りは年の功…。未婚でも風習習慣は熟知している。



『今は色々な衣装があるから迷いますよね』
「孫はドレスが着たいって…仕事の話しだったね」
『そうでした』



 さぁ、君島がくれた情報を無駄にしないように。此処からは俺の力次第。



―…
――…
―――…



「須藤君」
「はい」



 部長は戻ってくるなり少し前に戻って来た外回りの人を呼び出した。



「昴カンパニーと共同プロジェクトですか?」



 凄い!昴カンパニーは生半可なプロジェクトでは「うん」とは言わない。下村社長は様々な事に携わってきた。



 だから先を見る目は誰よりも鋭い。将来性の低いプロジェクトには一切手を出さない。



「君が我が社のリーダーとなってまとめてくれ」
「でも…」
「下村社長を怒らせたら今後は無いぞ?」
「…頑張ります」