突然、

絵美がボクの肩を掴む。


「有希!しっかりしてよ!女性に戻るの?今まで女性として、世間で見られるのが苦痛だったんでしょ?嫌だったんでしょ?男性になりたいんでしょ?本当の性別である、男性に戻りたいんでしょ?その覚悟で家を出たんでしょ?」


「…。」


「有希の味方に絵美がなるから。いくらでも愚痴を聞くから。鈴木さんにも言えなかったこと、絵美になら言えるでしょ?」


絵美は、

ボクの肩を揺すりながら、

涙を流して話しかけてくれた。



絵美の真剣な眼差しから、

目を逸らすことができなかった。