《続編》ボクは誰?

ボクの今の状態を、

雅史は気づいていたのか。


「何があったのかは知らねーけどさ、こうして一人暮らしをするのは、高橋にとって不本意だったんだろ?」


「ああ。」


「気分が晴れない時もあるだろーけどさ、あまり深く考えんなよ?」


雅史は鈍感なようで、

結構鋭いところがある。

こういう時は本当にありがたい。


「ありがとな。」


もうボクは二十歳になった大人だ。

十代から家を出た、

史佳を思えば、

ボクは贅沢言えないな。