恋物語




境井くんとすれ違い、私は玲の家を出る。


これからあのふたりはどうなるのかなぁ。

玲はある意味素直じゃないから、ちょっと心配。………いや、かなり心配。




顔が熱くて、胸が熱くて苦しくて……か。
あの男勝りな玲に、こんな転機が訪れるとは……。


………ん?

胸が熱くて……苦しくて?
それって……どこかで私も感じたような……。




「あ、藤堂、くん」


敷地内を出ると、長身が目立つ藤堂くんの姿があった。

いつもの仏頂面だけど、境井くんを心配してるのはなんとなく分かる。

私と一緒。



「……よぅ、小野崎」


どこか遠慮がちな声に、私は首を傾げた。


「帰るんですか?」

「ん、あぁ」


藤堂くんの目が泳ぐ。

なんで目線を合わせてくれないんだろう……。
嫌われるような事、したかなぁ……。