恋物語





誤魔化すように笑ってみる。
あまり心配かけたくない。多分、亜紀にもどうにもならない気がするし……。




「笑わないで」



…………。



「無理して、笑わないで。思ってる事、全部話して」

「……亜紀」


ぎゅっと、手を握られる。
暖かい親友の手。


「…………胸が熱いんだ」


あたしも強く、握り返す。


「あいつの……境井の事を考えると、胸が熱くなる。胸だけじゃない。顔も……熱い。…前からなんだ。亜紀の前では……隠してた、けど」

「……元気がなかったのは、そのせいですか」

「……正解」



すると、
亜紀は不意に視線をあたしからずらした。

あたしの背後には窓。
……窓に視線を向けている。


「…亜紀?」

「………それは、私にはよくわからないかもしれません」


え、何。
何手招きしてんの?


「だからそれは」


亜紀?
何その優雅な微笑みは。

…………誰か、呼んだ?






「ご本人から、聞いてみてください」