恋物語




って、
冷静に状況分析してる場合じゃない。
私、抱え込まれてるんだった。


「あ、ありがとうございます」

「………ん」


礼を言うと、彼は強面な顔には似合わず、優しく私を下ろしてくれた。

重かったかなぁ。
私最近体重計に乗ってないから……。

「……怪我は」


声がして、見れば、眉間に皺がかなり寄っている。
怒っているようにも見えるが、言動からして真剣に心配してくれているのだろう。


言動と表情が噛み合ってない。

その不器用さに、思わず笑ってしまった。



「ふふっ」

「………?」

「あ、大丈夫です。怪我はありません」