恋物語





「……そういやさぁ」


頬杖をついたまま、玲は言う。


「なんで亜紀はおっけぇしないの、告白されてんのに」

「今更聞きますか」

「聞きたくなったから」


本当に今日はどうしたんだろう。変な物でもって食べたのかなぁ。

………冗談ではない真剣な雰囲気を玲は醸し出している。
まぁ、親友だし、隠す事は何もない、か。




「……分からないんです」

「?」

「何で私なんかを好いてくれるのか、分からない」


私はお世辞にも綺麗とも可愛いとも言えない顔だと思っている。
でも………。

告白してきた男子生徒に、「なんで」と言った事がある。
答えは
「一目惚れ」
だ。




「……見た目で惚れるなんて、有り得ない。それで付き合うとか、有り得ない」


何も知らないのに、自分の気持ちを押し付けて。
私が知ろうとしていないだけかもしれない。

けど、私は。



「好きだとか、恋してるとか、一度も思った事ないのに………」






私は、恋をした事がないのだ。



恋愛感情を抱いた事なんて、一度もない。