「…っ………ごめん」 泣いちゃ駄目なのに、勝手に涙が溢れて来てしまう…。葵達は何故か唖然としていた。 「ギター、俺より上手いじゃん」 ポツリ、と背中にギターケースを抱えている人が呟く。他の人達も頷いていた。 「こんな良い曲、本当に俺らのバンドでやってもイイの?」 「うん。良いよ。どうせ…」 どうせあたしは歌えなくなるんだから。 「ん?」 「いや…何でもない」 楽しそうなこの人達を巻き込む訳にはいかない。あたしはあたしの運命を、信じるしか無いんだ。