…痛いよ、助けてお願い。 悲鳴にも似た声で夢の中のあたしは必死に叫んでいた。深い暗闇の中、独りぼっちで。 何時ものパターンと思っていたら違ったんだ。 「雫!!」 分からない…。あたしを呼ぶその声は誰なの?その悲しそうに涙をこぼすその顔は誰なの…!! そしてまた形の無いものに追いかけられる。あたしを呼ぶ声には届かずに、あたしは逃げ惑う。 ―…ごめんなさい、と小さく呟いた。 追いかけっこが永遠に続く中、そこで視界は急に明るくなっていった。