秀side

卵焼き食べてくれたかな?美味しかったかな?何て、考える…それから…
骨折ってめんどくせぇーなぁ!
そう。俺は部活のサッカーで空振りして…骨折しちまった。かっー!情けねぇ!これじゃあ昼休み屋上に行けねえじゃねーかよっ!って事は安西の卵焼き…が。
一生骨折恨んでやる!っと思っているうちに昼休み。きっと…安西は屋上にいるだろ…う⁉あ、あれって…安西⁉何で教室にいんだ?安西は教室で宮野と野山で弁当を食っている。ぁんざい。もしかして…俺のため?階段登れないからここにいてくれてるの?まぢ⁉
「安西!」
俺はいつのまにか安西に話しかけていた。
「安西。どうして今日は教室にいんだ?お前いつも屋上だろ?」
「…今日は佳菜美と渚で食べるって約束した…だけだよ…?な、何か?」
戸惑ってる…。やっぱ違った。そうだよな…。安西が俺のために教室にいるなんてあり得ない…。がっかりしながら席へ戻る。落ち込んでいるのか分からないがあっと言う間に放課後。今日は委員会がある。めんど…。委員会なんてはいんなければ良かった。でも一つだけ嬉しい理由…。安西も委員会入っているって事。
「やっと委員会終わったぁ!」
ツカツカと松葉杖をついて歩く俺。外は暗い…。俺最後かも…。っと思っていると。俺は門の前であしを止めた。
この時思ったこと。
「門開けられねー!」
松葉杖で両手がふさがっている。松葉杖を離すと倒れる。どーすりゃーいいんだ?っと思っていると後ろから声がした。
「小倉…?何してんの?」
この声…安西だ!
「安西!ちょうど良かった!門開けてくれねえか?」
と言うと…安西は無表情で、門を開けてくれた…が、ガラガラドン。閉められた。
「おい!お前だけ出てどうすんだよぉ!おい!安西!」
ふざけてるつもりか…?このヤロー!仕返ししてやんなきゃな。
何だかんだで、門を開けてくれて出られた俺。そして、
「おまえんちあっちだろ?おく…」
「やめて…」
へ?やめて…だとぉ?
「違う!俺は今日病院行くから帰り道こっちなんだよ。って言いたかっただけ。」
はやとちりしてしまった…みたいな顔でこっちを見る。もちろん病院行くなんて嘘。信じてる、信じてるっ。何かおもしれぇー!
シーンと静まり返る…。肩を並べて歩く2人。安西は恥ずかしいのか?コッチを向こうもしない…。
「あー!重っ!バッグ重くなった来た。肩いてぇ…」
言ってみるけど知らんぷり。
「おい…ちょっと持ってくんね?重くて…」
っと言った。これは正直だ。本当に重い。
「私も重いから無理…。」
ったく。
「おれは骨折してんだぞ?俺の気持ち少しぐらい考えろよ。」
「んー。そうねぇ…。サッカーで空振りして骨折した人の気持ちなんて、分からないわぁ。」
からかうように言う…ちょっとキレる…けど…ちゃんと顔を見て話してくれた。それに今も…話してくれる…。
「私が骨折したら持ってくれるの?」
え?俺はとっさに答える。
「お、おう!もちろん!」
「…あらそぉ。」
安西はそれを言うだけで、持ってくれない。ケチだなぁ。でも……結構可愛い。話してるところとか…安西の態度…他のやつがやると嫌けど安西なら別に嫌じゃない。なんて言うか…一緒に帰るなんて思いもしなかったから…凄く嬉しい。
「もうそこだから。」
え?もう…そこだから?ええ⁉まさか、家についちまった…?ったく。何やってんだ?俺…。時間もったいねえ!
「ありがとう。」
すると安西の声が聞こえて来た。ありがとう?
「ありがとう。送って来てくれて。病院なんて嘘でしょ?暗いからでしょ?私、目悪いの知ってるからでしょ?」
安西…。何だ…分かってたのかよ。でも何で?分かってるのに否定しないんだ?知ってんなら…。
「小倉?」
「あ!そうそう!ばれてたのか…。まっ。頑張れよ!」
「何が?」
手ごわい。とっさに頑張れと言っただけなのに…手ごわい女。そしてまたまた慌てて…
「えと…た、卵焼き!卵焼き!また作れよっ!って事だ…あ?」
今、泣いてた?暗くて見えなかったけど…一瞬だけ見えた。涙の粒が。
「じゃ!」
っと言って安西は言ってしまった。
え?何でないてんの?理由は?
涙。その理由は思いもしなかったことだった。





瑞希side

私の胸。今ドキドキしている。だって昨日、一緒に帰ったから。並んで。2人で。周りに誰もいなくて良かった。
久留美ちゃんに見られてたらぼこぼこにされていたかもしれない。
そして…今は違嘘う意味でドキドキしてる。席替えだから!昨日の夜あの後小倉からメールがきた。隣になれるといいなって。返信はしていない。どう思ってるかな?それどころか嬉しくてたまらなかった。でも無理だよ。くじ引きだしさ。出来るだけ願った。願うだけ願った。同じになりたいって。

私は思い切ってクジを引く!

「6…」
一番前か…供託の前…最悪。しょうがなく座る。隣は…?ガタン。隣に座る人。それは…小倉…ではなく中岡くん…?
「あ!安西…さん!」
中岡くん?なんで顔赤いの?何で?変なの。小倉は?小倉はっ?どこ⁉私はあたりをキョロキョロ見回す。見つけたけど…小倉は1番後ろの席。は、離れちゃった。無理だって言ったのに。
ため息をつく私。そして隣から声が聞こえる。
「…安西さんどした?ため息なんかついちゃって…隣、俺じゃ悪かったかな?」
「え!?違うの!ううん!違うこと!ごめんね。」
ああ…1人になりたい。小倉の馬鹿。
私は小倉の方をちらっと見る。え!?何か睨んでる?私じゃなくて隣の中岡くん⁉小倉が…睨んでる?どーして?
まさか…嫉妬?私はクスッと笑った。そんな分けないのに。小倉が嫉妬あり得ない…それは小倉は私のこと好きじゃないとおもうから。はぁ。またまたため息…いつもより重い…。

キーンコーンカーンコーン

眠い。私は机に失せる。トントン。誰かが私の肩を叩く。誰?何?
「おめぇー。さっき何笑ってたんだよ?」
「小倉⁈てか、何⁉笑ってないし。」
あの時かっ。笑ったのばれたかな。
「あー。これからは楽しくならなさそうだなぁ。」
私はぼろっと本音を流してしまった。
「え?どうしてだっ?俺と席が離れてるから?」
ニヤニヤしながら言う小倉にムスッとなる私。
「知らない!」
私はまた机に失せる。でも…これだけ小倉と仲良くなって話すのってすごい事だよね…。好きにらなくてもいい。ただ…そばにいて欲しかった。
まだ小倉がそばにいる。私はむくっと起き上がる。
「…小倉?何でここにいんの?」
「何でって…他のやつにとられるからに決まってんじゃん。んまあ…骨折も治ったし?」
え?どういう事?私が誰にとられるっていうのよ。
「…私の番犬?」
「…そう。俺はお前の犬。」
そか…そうか。納得した私。
「ってこら!犬じゃねーよっ!」
⁉イキナリビックリしたぁ。
キーンコーンカーンコーン
ここでチャイムがなった…。
「…小倉、お座り。」
「俺は犬じゃねぇって言ってんだろおぉ?将来…何だからさ。」
私はフンっと向く。将来?意味もわからず目を逸らす。でも。こんな事言うのは好きだから…好きだからなんだよ。でも小倉にはまだ、私の…なんて…分からないかな?

あ!今日は渚と佳菜美でお出かけするんだったっけ。じゃ早く帰ろっ。門まで来た私。そこで私は立ち止まる。それは携帯がなったから…。っなんだ。親かっ。あっ。充電しなきゃ!なくなってる!まあ。後でっ。っと歩き出そうとした時。
「忘れた…財布忘れたぁ!」
カバンを確認してもなかったからきっと教室。なかったらどうしよう…っと思いもながらも教室へ向かう。
「やっとついたぁ…ハァハァ。」
部活に入ってないから体力落ちてる。息しずらいっ。私は机の中やらロッカー全て探した。だけど…ない?どこ⁉どこなの⁉どこいったぁ!?財布の中には3000円入っている。今日使うのに!ない!ない…。もう…ない。泣きながらもう一度探す。やはりない。どこよ。どこにあるの…?その財布にはお金はもちろん入っているけど。大切な大切な恋のお守りが入っている。うう!私はその場でしゃがみ込む。
「な、無くした。無くした。」
あれから何分たった?一時間はたっている。外は暗い。携帯は充電切れ。皆とも連絡が取れない…。
「最悪。」
っと廊下からバタバタと足音が聞こえた。あ!もしかして…渚と佳菜美‼来てくれた?来てくれたの?私はドアの方へ向かう。
ガラ!
「佳菜美!渚っ!……じゃない。」
同時にドアを開けた相手は渚、佳菜美ではなく…小倉…だった。







秀side

ガラ。
「…安西?」
「お…ぐら。」
安西の目が赤く…さっきまでないていた事が分かる。って事は…きっと財布を探していたのだろう。
「あ、小倉。どうしたのっ?もう下校時間だよ?」
安西はそう言いながらバックを抱えて出ようとしている。
「お前こそどうした?」
「探しもの!っでも見つかったから…帰るところ。じゃっ。」
…嘘つくな。
「まてよ。探し物って何?財布だろ?本当に見つかったのかよ。」
「え。あ、うん。」
俺は財布を安西の前に突き刺した。
「ぁ…それ、私の…?」
「何が見つかっただよ。嘘つくな。」
安西は黙ったまま…。そして財布に手を伸ばす。
「ありがとう。でも何で小倉が持ってるの?」
そういえば言ってなかったな。
「席替えした後ムカついたから盗んだんだ。」
「ムカついたから?あたし…ムカつく事なんかしてない!帰る!」
違う…。なんて言えばいいんだろう。本当は意地悪なんかしたくなかった。ムカついてもいなかった。
「ごめんな…。ただ…2人きりになりたくて…。」
「…え?」
そうか…安西にはやだったかもしれないな。
「くしゅんっ!」
安西がくしゃみをした。寒いのか?
「寒かったら教室にいな。」
そうして俺は安西を教室の中にいれた。しかし
「…でも。お腹空いたし。」
「お腹空いたならこれでも食べろ。」
そういって俺は今日食べれなかった弁当を突き刺した。
「…これって…卵焼き?」
「おう!今日食欲なくて…卵焼き余った。」
それは普通の卵焼き。ハートでもなく星でもなく…普通の卵焼き。机に座って2人で食べた。もしかしたらこれが最後かもしれないから。
「あー!美味しかった!料理得意?」
「全然。料理は苦手。だけど…お前がこの前ハートの卵焼き作って来てくれた時…すっげーうまくてよ。俺も作りたいと思って…。だから作れるのは卵焼きだけ!」
そう…。俺は安西のために作った。何度も失敗して。やり直して。美味しかった?まずかったかな?…今はそんな事どうでもいい。俺は眠くなって安西の肩によっかかった。
「…ずっとこうしてていい?」
安西は少し黙ったけど…数秒後、
「…いいよ。」
答えてくれた。友達でいたい。いや…友達以上がいいかな。