瑞希side

もう関わらない。もう近寄らない。っと決めたのは私。久留美ちゃん何かに勝てっこない。屋上でぼんやりお弁当を食べている私は思った。
「安西。」
へ?そこには息を切らしながら立っている小倉がいた。
「お、小倉。」
近寄ってくる小倉。何をされる?何を言われる?っそうだ!近寄らないって言ったの私だ!
「小倉っ。ちかよらぁな」
「卵焼きくれ。」
へ?小倉の口から出たのは「卵焼きくれ」の一言だけ。小倉は私の前にしゃがみ込む。
「そのハートの卵焼きくれって言ってんだよ。」
「え?あ?あのお。えと」
小倉はすぐさま私の弁当箱に手を延ばし、ハートの卵焼きを口にいれた。
そして…
「うめぇー!」
っと言った。
「これっおめーが作ったのか?めっちゃうまい!」
でもそれを私は無視した。
「…あのさぁ。俺を避けるのやめてくれる?」
何がやめてくれよっ。小倉には久留美ちゃんがいるくせにっ。
「お弁当なら彼女さんとお食べ。」
そう言って私は後ろを向いた。
「その事なんだけど…中里とは別れたよ。この前、お前が言ってくれた言葉で目がさめた。」
へ?別れた?
「どーして、別れたの?お似合いだったのにね。」
「フンっ。どこがだよっ。中里から色々言われて睨まれてたくせによぉ。」
あ!それって!
「何であんたが知ってんのよ!」
「見てたから。」
あっそう。もうどうでもいいわ。関わりたくない。
「ってことだから。」
小倉は立ち上がった。
「俺は安西を守るって決めた。それと…ハートの卵焼きの作り方今度教えてよ!めーちゃうまかったからさっ。だから明日もここにいろよ!」 し
待つわけないじゃん。
二かっとした小倉の笑顔が私の目に映る。やっぱ、あんたには負けるわ。私を守る何て…本当かな?

次の日、待つわけないっとおもっていたが…屋上に来ていた私。

あー!何できちゃったんだろー!来ないつもりだったのに…しかも…私の手元にはお弁当箱が2つ。こればれたらヤバイ!私が小倉の事好きだって思われんじゃん!どーしよ!
っと思った時。
バタバタ!
屋上へ上がってくる足音が聞こえる。だんだん近づいてくる…。
バン!
「安西!よっ!」
来たよ…。とっさにもう一つの弁当を隠す私。
「ん?今隠したの何?もしかして…」
あっ。ばれてる?弁当って分かった?
「ハンカチ?」
ズコッ!
「ち、ちがうし!変なとこさわんな!これ、べんとっ」
あ。
「弁当?弁当?もしかして俺の…?マジで⁉サンキュー!」
っと言って後ろから弁当を取る小倉。その弁当には冗談で作った、ハートの卵焼きだらけ…。それを見た小倉は呆然としている。そして二かっと笑った。
「俺に?ありがとな。」
う!そんなかっこよく言われると…。
「私、あっちで食べるから!勘違いされると困るんだよね?」
そう言って、私は小倉から少し離れた場所で食べた。

…っふと気がつくと。チャイムがなっていた。私は…寝てた⁉慌てて弁当箱を片付ける。小倉の方を見るが小倉の姿はない。ベンチの上には弁当箱が。
「手紙…?」
弁当箱には手紙がおいてあった。
ハートの卵焼きありがとな!
めっちゃうまかった!
今度作り方教えてよな?
今度は俺が作ってやる!
っと書かれてあった。
「小倉っ。」
何となくドキドキした気持ちで教室に戻る自分だった。