瑞希side

レストラン

「⁉これ、うめー!」
「うんうん!美味しーね!秀!」
「おーっ…最高ー!」
秀と一緒に食べるだけで美味しいのに。さらに美味しいじゃん。
「…秀。そうだ、言いたいこと…あるんだ。」
「あ、俺も。あのさ俺からでいい?」
「うん…いいよ。」
本当は私が言いたかったけど…。秀の為なら。
「真剣な話…なんだ。聞いてくれ。俺にとっては大事な…凄く大切にしてきた話。」
凄く真剣そうに話す秀。その真剣な眼差しがかっこいい。でも…秀と同じで私もなんだよ。真剣な話があるのは秀だけじゃないんだ。
「俺…」
「ねぇ。悪いけど…私から言う‼秀…ごめん。私から言わせて。それから秀の話を。」
「え。あー。まぁいいぜ。」
急な頼みで許してくれた秀。ここはしっかり言わなきゃ。
「ごめんね。えと…その…ね。私が…言いたい事は…えっと…あの…」
いざ言おうとなると言葉が出ずらい。なんて言われるのか怖くて…怖くて…でも…頑張らなくちゃ。自分の為にも…井上の為にも…。井上は勇気出して言った。だから私も…!私がやらなきゃ意味ないじゃない。頑張れ自分!
「ずっと片思いしてた。」
え?最初に口走ったのは、私ではなく…秀。
「俺は7年間…小4の頃からずっとお前に片思いしてた。その頃から好きだったんだ。お前の事が…。一目惚れから始まって。俺…積極的に話しかけた。でも…お前は振り向いてくれなかったんだ。つまりふられたってこと。だから…今。こうして…付き合ってるんだ。高校入学の時だって1番最初に話しかけたのはお前…1番最初に見たのもお前。全てがお前…安西瑞希だった。俺の7年間も好きだった。瑞希。」
秀…!私の胸は喜び、不思議、感動、嬉しさ、悲しさ、涙で溢れてた…。だって…私も…そうだったから。
「知ってるだろ?小4の頃。なんかハキハキした意地悪な女子いたろ?その人に好きな人聞かれてさ、お前の名前言った。んでみんなで図書室いった時あいつがお前に大きな声で言ったのを。べつに俺は嫌じゃなかったよ。逆に嬉しかった。俺、告る勇気なかったから…かわりに告ったようなもんじゃん?だから…そうしたら振り向いてくれるかなって…だけど…そんなのなかったんだよ。でも…でも…」
私はその場に座り込んだ。
「や、めて…。それ以上…言わないでっ…。先…越された…。秀に先越されたから。ごめんなさいっ。ぐすんっ。」
「まだ話すことあんだよ。聞け。」
「いやぁ!もう…いい…充分だよ?言わなくたって分かってる…。私も…秀と同じ立場だったから。ううっ。私も…ずっと…7年間あなたに片思いしていたから。ぐすんっ。ううっ。ふぇっ。」
「え…でも…おれふられたし」
「はぁ?ふってない。てか、告られてないしっ!いつ告ったの?知らないよ?私に直接言ったぁ?ううっ!」
「え、えーとっ。直接じゃ…ない。」
「それじゃわかんないよ!ぅっ。ぅうっ。知ってたぁ?私ね恥ずかしがり屋で人見知りだったって。だからあんまり好きとか…誰にも言ってないし。その時恋愛自体興味なかったのっ。ぐすっ。でも…なぜか。秀だけは好きになれた。秀だけは。」
「え。おれ?だけ?」
「そ、だよ。」
「ま、まてよ。って事はよー。おれとお前ってずっと前から両想いだったって事?それを分からずに…このまま…はぁっ。なんだよ~!いままで嫌われてないかとか心配して損した。」
「ははぁっ。私もぉ。秀だけには嫌われないようにって必死で…。ばかみたい。でも…なんで美姫ちゃんとか久留美ちゃんと付き合ったりなんかしたの?」
「あ、それはお前がいつまでたっても俺の気持ちに答えてくれないから、色々意地悪しちゃった。…だって7年間もの恋だし…いじめたくなるわっ。」
「っ何よそれー。いま思えば笑っちゃう、お互い…ははぁっ。」
本当に…笑っちゃうよね。いまの私の顔はきっとぐしゃくしゃ。あんま見られたくないけど。伝えなきゃ。最後の一息を。
それから私は秀の手を握った。そしてとびっきりの笑顔で…。
「大好きです!」
っていったんだ。






「お母さん、ただいまー。」
「おかえり!瑞希…卒業おめでとう。」
「うん!ありがと。」
「さてと!今日は気合い入れて料理でも作ろうかしら?」
「本当ー!やったあー!」
お母さんの料理は美味しくて。一年前に行ったレストランなみ。秀はこれからどうするのだろう。大学?就職?なんて、考えるだけでワクワク、ドキドキする。渚は大学。中岡くんはー、イマイチよくわからない。だけど、みんなは仲間。秀。これからもずっと一緒だよ?大好きです。本当に…好きだよ。




7年間、君の事想っていました。

ずっと。ずっと。ずっと。

出会った時から一目惚れ…。

離し始めたのは…高校入学の時。

7年間も私たちは何をやっていたのだろう。ただ単にすれ違う。そんなの嫌だ。

色んな人に出会って思いっきり恋をして…。

最高の恋でした。

君もいろんな人と出会って恋をして見て…。きっと叶うはずだよ。

けして無駄にはならなかったよ。

"7年間の想い"