瑞希side

私は見てしまった。美姫ちゃんと秀が一緒に登校しているところを。朝からこんなのをみるなんて…。腕くんでて…美姫ちゃんがあんな笑顔で…秀は…。その為に私と登校のを断ったの⁉どうして…一緒にいるの?秀が好きな人は私じゃなく…美姫ちゃん?そんな…。考えるだけでいや!涙が…出てくる。私…どうすれば…?教室にいく勇気なくなった。せめて渚がいれば…。だけど渚も中岡くんととっくに登校している。だから1人。足は震える…。そして、涙が止まらない。うっ!
「どうしたのかな?君?」
へ?ゾクゾクする。やな予感…。後ろを振り返ると…知らない人。だけど制服を着ている。…!っこの人って…この前の⁉先輩⁉嫌だ…。近寄らないでよ…。
先輩が私の腕をつかむ。
へ?気持ち悪い!
「いやっ。やめて!」
今の私の力は弱ってる。ショックで力が出てこない。…いつもそう。私が泣くとこの先輩は…近寄ってくる。この前は美姫ちゃんが助けてくれたけど、もうこない。う!連れて行かれる⁉助けて…っ…。
「あんたアホやろ?こんな事してそんな楽しいんか?そかそか。じゃーうちにやれや。」
「っ…君は…」
「うち?うちは佳菜美やけど?」
「佳菜美ちゃんかー佳菜美ちゃんも可愛いなぁ。」
「何や?こいつ。キモイな。変態か?とりあえず…この子…うちの大事な友達なんや。せやから離してや?」
「っ。あのスタイル良くて可愛い子といい…関西弁の子といい。なんなんだよ。」
「それはこっちのセリフやで。あんたこそ何や‼襲ってしゅーりょー?何が楽しいんや。…何か悩んでるんやろ?相談のったるで。」
「…っ。ああ。それなら…。屋上でも行こうか?」
「せやな、」
え?屋上⁉二人で⁉そんなの危険!
「佳菜美!危ないってば!」
「平気やー!せやから瑞希は教室入りなや。」
そんな!そんなのダメ!佳菜美が1人になるなんて…。もし佳菜美の身に何かが起きたらっ…
「佳菜美!あしたも行くよ!…今ゎー教室入りたくないし。」
「…大丈夫やんか?」
「…うん!一緒にいこ。」
そして私たちは屋上に向かった。

屋上

「っでー?何や?」
「…俺は…失恋したんだよ。」
…え?失恋…?
「俺はな…中1から去年の最初らへんまで付き合ってたんだ、好きな奴と。向こうから告白して来てくれて…俺も好きでよ、嬉しかったんだ。だけど…高校になって彼女は変わった。あの長くてサラサラな髪の毛は短く金髪に、お酒は飲むしタバコも吸う…カツアゲするしさ、ますます変わっていった。だけど俺は彼女が好きだった。愛していたんだ。大好きで大好きで…死ぬほど好きで…。」
そんなに…そんなに好きだったんだ。
「ある日…別れを告げられた。あいつ…何て言ったとおもう?」
「…知らん」
「こう言われたんだ。…私は高校に入った時から好きな人できたの。かっこ良くて…。でね。…私京ちゃんより大好きな人見つけたから…別れよう?って。」
そ…そんな。
「でさ、その後に、俺がヤダヤダばかり言って、だからお前は金髪なんかにしたんだ⁉って言ったらあいつ怒り出してよ。…バカ!あんたとはもう関わりたくない!同じ空気吸いたくなくなったぁ!私はあの人が好きなの!だからっ。邪魔しないで。別れる。いままでありがとう。…って。」
この先輩は泣きながら…悲しい思い出の1つのように語っていた。
「そ…れで、あいつは…まんまと騙されてた。俺は今でも愛してる。」
「…そうやったんだ。だから…こんな事を?」
「…っ。それは…あいつが交通事故にあった次の日から。」
え!?
「何やて⁉交通事故⁉じゃあ…もうここには…」
「っああ。いないよ。だからだと思う。俺はおかしくなったんだ。」
「……そらー、辛いゎ。だからってこんな事していいと思ってるんやな?ダメやで。他にも誰かにこんな事…」
「…したよ。家に連れ込んで体中を触りまくった、。ハハ。やな奴だろ?でもな…。俺はっあいつとセック…」

バン!

話の途中でドアが開いた。そこには息を凝らして立っている…秀⁉
「秀!」
私は駆け寄った。
「さ、探した…。めっちゃ心配した。」
え?そういえば…教室に入っていない。もう1時間目終わった…?あれ?なんで私…教室に入らなかったんだろ…。……あ!秀が…秀が美姫ちゃんと…。だから私は屋上に…。
「秀…」
「何で…来なかった…?」
「秀…。ごめん。でもね…秀が…」
「きゃーっ!」
え⁉佳菜美の悲鳴⁉
「佳菜美!っどうし…」
佳菜美は下を指差した。怯えながら。
え?何?下?
「…せ、先輩…がっ。と…飛び降りったんやぁっ。俺は死ぬ権利が…ありそ…う、だって…言っとってぇ…」
先輩⁉そういえばいない。まさか…⁉

…いる。いるよ。下に。飛び降りた?先輩が?そんな‼?こんな事するなんて…自殺…自殺なんて憎いよ。

すると秀が駆け寄って来てくれた。
「秀…っ。」
抱きしめた。強く…強く。先輩の愛情の分も。

先輩は先輩の大好きな人の元へと飛びたった。







秀side

「…瑞希。大丈夫か?」
「んー。うん。平気。」
「あの先輩…お前の何だよ?何か理由があんだろ?授業サボってまでここにいたんだから。」
「…あの先輩はね。私と同じ気持ちの人…だよ。先輩は愛してる人がいる。だけどその人はほかの人に恋した。ほかの人が好きだった。…仲良しだなんて嘘みたいに。」
「っ瑞希…」
「私も!同じなの!好きな人がほかの人が好きで…。あり得ない‼許さない!約束守れない奴なんか嫌い!もう…やめてよ…」
瑞希…誤解。誤解なんだ。こうなればっ
「…瑞希。悪い!単刀直入に言う!俺は…俺は瑞希が好きだ!」
「…嘘よ。」
くっ。
「違う‼聞いてくれ…。」
「…分かった。」
「俺は…本当情けない…。脅されたんだよ。すまねぇ。鹿島に付き合わなきゃお前をいじめるって…。俺、それだけはいやでよぉ…。つい。」
本当情けねえ。あれだけの事で…。
「瑞希…?」
「秀!ごめんなさい!」
「謝るなよっ。謝るのはコッチだっ。…瑞希好き。」
「うん!」
愛してる…。愛してる…。
「あ!それでよ!ラブレターのこと!全部分かった!今度は俺が脅してやったんだよっ、でさ、あのラブレターは鹿島の仕業で…俺とお前を離そうとしたんだっ。詳しい事はまた今度言うから…今は鹿島の所!」
「え!?どして⁉」
「けりつけんだよっ!」
そうして向かった先は…鹿島の教室。だけど…いない⁉どこにいんだよっ!そして…裏庭へと…。裏庭には…鹿島!と、男の人。
「あ!秀!美姫ちゃんいた!」
「しっ!知ってる!…瑞希。あの男の人知ってるか?」
「えー?っあ!あの人は井上!私に電話して来て家に上がった人!」
「は?何それ…聞いてねぇ…」
「あ、え、その、えと…後で…!」
とりあえず俺たちは2人の元へ向かった。瑞希の手をギュッと握りしめて…。
俺たちに気づいた鹿島は
「あーっ!しゅーうっ!どこにいたのぉ?探したんだよぉ?っと…何で瑞希が?」
鹿島の怖い目つきは瑞希へ。
「なぁ?そいつー誰だよ?鹿島の何?」
「へ?あーっこいつはぁ。まぁ他校の人。まさかまさか嫉妬ぉ?嫉妬してくれてんのぉ?美姫嬉しい!やっとその気になったくれたんだ?」
「んーまぁな?」
瑞希…悪いがこのまま耐えてくれ!
「じゃー秀!行こーか?じゃあね!他校のお兄さんとー。…瑞希さん。」
鹿島は俺の腕に絡みつく。はっきり言って鹿島はやだ。
バッ!
俺はその手を振りほどいた。
「?秀…?」
「きたねぇ手でさわんな、どブス!」
「なっ!秀!?何よそれ!」
「人の名前を馴れ馴れしく呼ぶな。吐き気する。」
「え!?何なの?わかんない⁉いきなり何よ⁉ひどいゎ!」
「ひどいのはおめーじゃね?勝手に他校の人と浮気すんだー?」
「え。あーその事ね。すいません。秀ぅ!」
「なぁ。見てわかんねぇ?俺は瑞希と付き合っているって事!」
俺は瑞希と繋いでいる手を挙げて見せた。それに舌打ちをする鹿島。
「あやまれ。」
「…ごめんなさぁい!」
「…分かった。許す。それと1つだけ。プレゼントの言葉あげる。」
「え!?なぁに?秀♪」
「俺は瑞希が好きだ。」
「じゃあな。どブスの鹿島!」
そう言って俺たちは走った。
「ねえ?ねぇ?秀ってば!こんなんでいーの⁉」
「いいんじゃね?」
決めたんだ。決めたんだよ。瑞希は俺が守るって…。