瑞希side

あの日から私達は永遠の愛に結ばれた…はずか!私は誰かに目を付けられている感じがする。
「⁉」
ほらまた!っだれ⁉誰なの!?いい加減姿表せ!
「…瑞希ちゃん?」
「瑞希ぃ。どうしたんや?キョロキョロして。」
「え?あ、別に!二人は私の両側にいてー!」
「でも…もう学校着いちゃうよ?」
「そやそや。」
「いーから!離れないでよ!」
ごめんね。渚と佳菜美ぃ。何故か…怖い視線を感じるの。怖い。早く…小倉に会いたいー!
ドン!
「へ?」
ぶつかった?渚たちがしっかり両側にいるのに。後ろにぶつかるとかは…。あり得ない。
「あらー。ごめんなさぁい。って瑞希ちゃんじゃない!?」
え?この声ってこの前の?名前…何だっけ?えとー。鹿島…美姫…ちゃんだっ。
「美姫ちゃん!ご、ごめんね!」
「へいきー!じゃあね!」
美姫ちゃんはスタスタと歩いて行った。それと同時に…あの怖い視線がなくなった。じゃあ…あの視線は美姫ちゃん??
無事。教室に到着。
怖い視線は今はない。って事はこの教室にはいない!良かった…。
「あ!正人!」
「よ!」
え?ええ?正人…?
「渚!正人って…?」
「え?中岡…正人だよ?」
下の名前ー?私は…小倉。小倉も安西。渚たち…早すぎ!
「ねぇねぇ。今早いとか思った?全然早くないよ?カップルだもん。」
…渚ぁ。カップルって…大人すぎる。私着いていけない…かもぉ。
とりあえず私は三人の元へ向かった。
よし!思い切ってっ。
「し、しゅ」
「あ!瑞希っおーすっ。」
へ?今…瑞希って?言った?よね?嘘…嬉しい。このタイミングで名前で呼び合って。最高じゃん。そういえば…小倉っていつもそう。私が言おうとした時に、いってくる。
告白しようと思った時だってそう。向こうからして来てくれた。あなたは私の心が読めるの?何者ー?
「ん?瑞希?どした?」
「え?あっ何でもない!おはよー!秀!」
「お!空気読んだね?」
「あったりまえじゃん!」
あははっ。こんなに笑顔で笑って、学校生活を過ごすなんてとても最高。でもこんな日はそんなに続かなかった。この笑顔が一瞬で消えるなんて思ってもいなかった…。

ゾクっ!
え?怖い視線。さっきとおなじ…気配を感じる。まさかこの教室?後ろを振り返ると笑顔で私を呼ぶ美姫ちゃんの姿が。美姫ちゃんの方へ向かう。
「…何?」
「…?そんなに怖がらなくてもっ。あたし悪い子じゃないよー?」
「あ、うん。」
何なの…。怖い視線は美姫ちゃん?
「えっとぉー。特に用事はないんだけどー。一つだけ言うの忘れてて…。…言ってもいーい?」
「どっ、どーぞ」
「秀が倒れた日あったじゃない?あの時ねぇー秀が瑞希ちゃんの事、めっちゃぐちぐち言ってたよ?たとえばぁ…ウザイとかー。逆ギレとかー。最低な女とかねぇ。浮気しちゃおっかなって呟いてたかも。」
…え?

そんなの…

私は信じない。どんな事言われたって…秀は秀!信じてるから。
「ぁ…信じないようだけど本当だよ?」
心の中では信じないって言ってるけど…足が震えている。どうしよ。
「…信じない。今は愛し合ってる。秀は私の彼氏です。」
私はなにを言ってしまったの…?
「え、やだ…。私…2人を邪魔してる訳じゃ無いのに…。ただ…カップルさんとして…伝えて置かなくちゃって思っただけで…。迷惑だった?ごめん!」
美姫ちゃんは駆け出した。
え?待ってよ!だけど待ってはくれずは…。
ポン。
私は秀に、肩をポンっと叩かれ…倒れた。
バタ。

私は倒れたあと…保健室に運ばれ、秀が看病見てくれた。意識は取り戻したが頭痛で頭がぼっーとする。
そして…一週間がたった。妙な違和感がある。美姫ちゃんが話しかけて…こない?そう…二週間、三週間が立っても…美姫ちゃんは私を避ける…。だけど…聞いてしまった…。秀と美姫ちゃんが話しているところを。たった今。

「え?どういう事⁉」
「だからっ。もう、俺と瑞希に構うなって事!」
「どーしてよ!?」
「どうしても。」
「くそっ。あんな女…。あんたとなんかお似合いじゃないわよ!ちょっと彼氏出来たからって調子乗ってる!」
「瑞希の悪口言わないで?」
「はっ?意味わかん無い!マネージャーなんか辞めてやるわよっ!」
「うん。辞めれば?それと…もう構うなって言ってるだろ。」
「……うっ。分かったわよ。ただし…約束してくれるぅ?私とのお別れのキスをするって…」
「は?お別れのキス?おめーなに言ってんの?」
「だってさ。秀って誰にでもキスしてそうじゃない?」
「しねーよっ。俺がキスするのは…愛する人だけ…。例えば瑞希。っていうか瑞希しか居ない!おめーとキスする権利なんてねぇ。」
「…」
「…」
「ばかぁっ!」
バチ!
「あ!」
あ!私は声を出してしまった。だって美姫ちゃんが秀をビンタしたから。声を漏らしてしまった私に気づいた秀。
美姫ちゃんは駆け出してたから気づかなかったけど…秀は私に気づいた。
「…瑞希⁉」
「…秀っ。大丈夫…?。」
「あ、うん。もしかして全部聞いてた?」
「え、あ~、うん。何かごめん。私のせいで…」
「ああっ。別に構わねえ。…キスの意味って知ってるか?」
「キスの意味…?」
何だろう。そんなの意識した事無い。
「知らない…」
「いいか?好きだからこそ、するもんだ。好きでも無いのにしたって何の意味も無い。ただ単にキスするだけってーのは、口合わせってもんだよ。愛があるからキスって言うんだよ。」
秀っ。分かってて…。
「わかった!てか、私、秀としかしないもん!好きだからっ!」
抱きしめあった胸は温かく…とても甘いね。秀のキスは。
「…あのさっ。私…サッカー部のマネージャーやってもいい?」
「っもちろん」

チュッ

キスの意味を教えてくれたのは秀。あなたです。