秀side

はぁ…はぁ…。気持ちいい。あともうちょっと。⁉何か入ったぁ!?あっ。痛い!
「え?ちょっと小倉大丈夫か?」
「大丈夫!ちょっと足首捻っただけだから…」
今はサッカーの部活中。気持ちのいい朝。グラウンドあと一周と言うところでつまずいた。足の裏に、何かがささったような気がした。
「ってぇ…」
グラウンドで座っていると、1人の女の子がきた。
「あのぉ…大丈夫ですかぁ?」
「え、あ、おう?」
「はじめまして!私はこれから男子サッカー部のマネージャーとなりました!よろしくお願いします!」
ま、マネージャー?こんな時に珍しい。
「何年?」
「高二です。」
お!同じだ。こんなやつ…この学年にいたっけ?顔は…あーわかんねぇ!
「おなじだよ!敬語はいいから。」
「あ、はい!分かりましたぁ!それより…手当するんで。こっちきて。」
そう言って管理室へ連れて行かれた。そこには俺とその子二人だけ。
「とりあえず…シップとテーピングでいいかな…」
「名前は?」
「え?」
名前…聞いてなかったよな?
「あー。鹿島美姫だよっ。」
「かじまみき?俺はぁ」
「知ってる!小倉…秀。」
「お、知ってんのか。」
何だ……やっぱ俺有名!
「美姫って呼んで!秀!」
「え?あ、おうっ。」
イキナリの呼び捨てにびっくりした。
美姫。新しい人に出会った。でも何か怪しい感じがした。中里みたいな。
「言っとくけど俺彼女いるから。」
「え?あ、そう…ですかぁ…?」
何を言ってるの?みたいな表情だ。こいつは大丈夫かもな。
「ほい。出来た!」
「ありがとう。」
今、ちらって見えた。
「ピンク」
「へ?何が…?」
「おめーのパンツ。」
「へぇー⁉///////」
救急セットを上におく時にちらってみえたんだ。
「ど、ど、どどぉこ見てんのー⁉」
「俺、白でもいい。」
「はっ。はい。分かったよぉ。」
「ぶっ。やっぱ嬉しいんだ。おめーも対したエロだ。これからよろしく。」
「へぇぇ!?」
俺は外を出た。それに続いて美姫も。ちょっとからかってみた。おもしれー。その時ちょっと、にやけてた俺。
俺は視線を感じなかったがある人の目つきが変わった。

次の日

ゴール!
「小倉!ナイスシュート!」
俺と中岡はハイタッチした。そして休憩時間。
「あ!みなさぁん!これ差し入れです!」
っと言ったのは美姫だった。皆もらっていく。
「あ!秀は?」
「お、俺はぁいーや。」
「そっかぁ…」
すると中岡が言ってきた。
「お、小倉っ。浮気はダメだぞ?」
「わかってるっつーの。」
そんなの…しってる。ずっと願ってた夢が叶ったんだからよっ。

次の日

「はぁ…眠。」
「小倉、寝不足?大丈夫?」
「大丈夫だって。心配すんな。」
俺は屋上で安西と2人っきり。
「…ねぇ。私さサッカー部のマネージャーやろうと思ってんだけど。」
「マネージャー?募集してねえぜ?それに…もういるし。」
「え?」
「美姫がいるし。」
「え?」
安西はア然としている。そりゃーびっくりするよな。
「え じゃなくて。必要ねぇから。何の心配してんの?」
「…」
「ぶっ。浮気なんてしねーし。俺はお前だけだもん。」
「…ほんとに?」
「っああ」
俺は安西の頭を撫でた。
「よしよし。」
しかし安西はなっとくいかない様子。
「…昨日二人でなにしてた?」
「え?いつの事?」
「2人で管理室から出てきたじゃん。」
管理室…?ふと思い出すのは足首をくじいて管理室へ行った事、美姫と一緒に。嫉妬してるのだろうか。
「何してたのか気になる?」
「…うん」
安西…知ってたか?俺は可愛い奴に意地悪したくなるのを。
「何だと思う?」
「…別に」
「当てて見て。」
「…意地悪」
「ったく。じゃー俺が今から美姫にしてた事するから…。」
そう言って俺は安西にキスをした。

チュッ。

「やめ…て!」
バンッ!
俺は突き飛ばされた。
「ってえ…」
「や、やめてよ。」
「は?映画の時はさせてくれたのに。」
「違う!…あたしはその事を言ってるんじゃないの!ひどいよね…。あたしがいるのに…。そんなの事しないでよ!ぅうっ。」
安西っ。
「いやっ。そうじゃなくって。」
「調子のるなぁ!調子…乗ってんな…あたしはっこんなの嫌だよ。ぐすんっ。小倉が…他の女となんて…望んでない!どうして…どうして分かってくれないの?私は…小倉が好きなのに、大好きなのにぃ!ぅう!」
だっ!
安西は駆け出した。
「待て!」
俺は追いかけた…誤解を解きたくて…。俺が悪かったんだ。俺がキスなんかしなければこんな事にならなかった。
「見失った?」
どこいったんだろう。見失ってしまった。

昼休み

「…おめー安西と喧嘩した?」
中岡が言ってきた。
「…別に」
「何か…今日、安西…宮野と2人で食べるっぽいよ?何があった?やっぱ喧嘩だろ。」
「っああ。…別に対した事じゃないから。ほらっ!いつもの事だろ?この3ヶ月間喧嘩してただろ?」
そう。二年になって付き合うまでの三ヶ月間…たまに喧嘩した。だけどすぐに仲直りした。
「っいつも喧嘩してたからっていっても…今日はやばくない?」
「…」
「全部話せ。」
「…はぁ。」
俺は中岡に全部話した。
「っ!おめーの浮気か⁉」
「…浮気って…。そんなのしてねぇ。でも…俺って最低だよな。」
「…小倉。」
本当最低。俺は美姫なんて好きじゃないし…。俺が好きなのは安西なのに。でも…あの状況でキスしたのはまずかった。「俺が今から美姫にしてた事するから」…今では後悔してる。安西の言う通り…調子乗ってたのかもしれない。許してくれっかな…。
「さ!弁当食おう!」
「…」
「小倉…は?」
「いらねー…」
俺はずっと外を眺めて悩んだ…。どうしたら許してくれるか。授業中もずっと。

部活中

「小倉!シュートだ!」
「おう!おりゃっ?」
からぶった…?相手のチームに負けてしまった…。嘘だろ…?
俺は…その場で…倒れた。
バタ。
「⁉小倉!」




目を開けた時。俺は保健室に。目の前には…美姫?
「あ!秀!気がついた?心配したんだよぉ?」
「…ん?美姫か。ごめん。」
「調子はどう?」
「あー。だいぶいい…。それより授業は?」
「いーの!看病しなきゃいけないんだもの!」
…サンキュー。はぁ。まだ疲れてるっぽい。寝とくか。
「あっそうそう!さっきねぇ…。誰かが来たの!誰だっけなぁ?中岡くんと宮野さんだっけ?」
中岡⁉宮野⁉来てくれたのかっ!?…安西は?
「それでさー。秀の彼女さんってどなたぁ?」
「え?あー。安西。今喧嘩中。」
「へぇー?だから来なかったのかな?安西…なんて言うの?」
「瑞希。」
「瑞希?瑞希って呼んでる?」
「いや…。安西。」
こいつ…しつこいなぁ。質問が多い。質問してくるたびに、美姫が
「…美姫、ベッドに乗ってる。」
「ひぇ?あー!ご、ごめんなさぁい!」
「したいのかよ?」
「したいって言ったらどうする?」
「やだね。安西とならするわ。」
「っ/////!」
「冗談。」
安西。ごめんな。来てくれよ。安西とじゃなきゃつまんない。
「じゃあ。チャイムなったから瑞希ちゃん呼んでくる!彼氏なんだからってね!」
「…美姫っ行くのはいーが、安西に手ェだしたらただじゃらおかないからな?」
「へへーん。大丈夫。っ彼女の事になると怖いねぇ…秀は。」
本当かよ。何故か俺には嫌な予感がした。とても嫌な予感が。安西の身に何が起こりそんな…そんな予感が。