瑞希side

「瑞希ちゃん!」
「お!渚!」
あれから一年後。変わらないね。桜の木。今日から私たちは高校二年生!まず緊張するのはクラス!私と渚はクラス表を見に行った。
渚とは見事一緒!佳菜美とは離れちゃったけど…。あと、中岡くんも一緒だし…もちろん小倉も!嬉しかった。死ぬほど嬉しかった。ヤバイほど。

これからは四人で行動している。昼休み、教室移動、放課後も…一緒!
今は渚とわたしで屋上にいる。
「暑いねぇ。もう7月!」
「うんうん。もうそろそろ小倉と付き合う頃だよ?」
「え?は!ちょっと!何よそれ!付き合わないよ?友達…だ。もん。」
「本当にそのままでいーの?…好きなくせに!」
好きなくせに?私は小倉事を好きなのだろうか。
「んー。そう言ってる…渚は?」
「あはっ。私はぁ…まあ、中岡くんと付き合ってるしぃ?」
ぇえ⁉
「次は瑞希ちゃん!」
な、渚って…中岡くんと…。へぇー!でも、そんな事言われてもぉねぇ…。
「よし!作戦たてよ!」
「え?あ、うん?」
渚の作戦はこうだった。明後日、四人でお出かけする。その時に別行動にして、私達は映画を見る。そして…告る。という作戦。何だけど。こんなんで上手く行くのかな…。
まだ好きだと決まったわけじゃないのにOKしてしまった私。はぁ…。ため息が重かった。



そしてとうとうその日に!

映画を見るまでは上手く行ったものの…。次の事で頭がいっぱい。なんて言おうか。映画の内容なんて頭に入ってこない。いつの間にか終わってしまった。
「あーっ!感動したな!さ!行こうか!」
私はまだ座り込む。
「安西?」
私はうつむく。心の準備が出来てなかったのにぃ。早すぎ!言えなかったら…言えなかったらぁ…
明かりがつく。
「大丈夫か?」
やっと口を開いたかと思えば
「座って!」
のひと言。
落ち着け!落ち着いて!私!
人が動き始めて。周りはザワザワする。
目をつぶって歯を食いしばっていると
イキナリ何かが唇に当たった。何だろう?柔らかくて…気持ちくて。これゎ…?

私!キスしてる。小倉にキスをされていた。周りには人がいる。恥ずかしい…!
そう想ったら…小倉が離れた。
「もーらいっ♪」
⁉きっと私の顔…赤い!私のファーストキスを小倉に託した。
「好きだよ。」
え。告るところか告られた…?
「好き。付き合って…。」
頭が回らない。とにかく今わかるのは告られたこと。うう…。
「何で泣く⁉」
「ごめん!嬉しくて…」
「じゃあ…?」
私は頷いた。そして…もう一度キスをした。それはとても甘かった。
「っやべえ。可愛すぎ。」
あ、そんな事言われると赤くなるじゃんかっ!
「…大好きっ。」
泣きながら言った。好きも言えなかった私が大好きなんて…。緊張が取れたのか?さらりと言えた…。
そして小倉は言った。
「俺も…。襲いたくなる。」
「っここではダメ!」
「え?じゃあ他のところではOK?」
「え、ぁ…んもぉ。」
頷くわたし。そして…2人で抱き合った。映画内には私達だけしかいない。渚たち…待ってるかな?
「そろそろ…行く?」
「だな。」
私達は手をつないで歩き始めた…。



「み、瑞希ちゃん!」
「おー小倉!」
あ!二人とも!
「おいおい⁉おめーら手ェ繋いじゃってど~したんだ⁉ま、さ、か?」
「おうー。付き合ってるぜ?」
そう。7月14日が記念日!
すると渚がこっそり言ってきた。
「っ瑞希ちゃーん。やるね?よく頑張った!」
「え?あー。告った…っていうか告られましたぁ…」
「え?まぢ?」
そこで私達の話が途切れた。それは中岡くんが
「お腹すいてねー?何か食べよーぜ!」
っと。
「「「OK!」」」
声を揃えて言った。
エスカレーターに乗ってる途中…。小倉が私の耳でささやいた。
「キスの続きはまた今度♡」
って。きゃぁー!やばい…そこまで言わないでよ!真っ赤になんじゃん!恥ずいじゃん!

私は始めて付き合った。始めてキスをした。私は小倉に託した。

ファーストキスを…。