瑞希side
「…好きです!…もし…俺で良ければ…付き合って下さい!」
へ⁉
私は今中岡くんと向き合っている。そして…中岡はこう言ったんだ。
状況が飲み込めない私は慌てた。
「待って!…よくわからない。」
「あっ…。急にで悪かったな…。俺はぁ。お前が好きなんだ。」
え?あ、へ?好き…?中岡くんが私の事を好きだってぇ?
「付き合って下さい!」
…どうしよ。確かに私には好きな人はいない。小倉だって、好きじゃない。それに…中岡くんはとても優しいし…頼れるし…。
「でも…」
わたしは…
「安西!一ヶ月でもいいんだ!一週間でもいいんだ!たったの…一日でもいいから…。付き合って欲しいんだ!」
え?一日でもいいから?中岡くん…。
私は決めた。
「いいよ!一日っていうのは…あれだから一週間!付き合おう!」
そう。私は一週間付き合う事にした。でも…私の心の隅には…。想ってる人がいた。私が気にしてる人がいた。
私が中岡くんと付き合っている事はすぐに広まった。
「瑞希ぃ!中岡と付き合ってるん⁉」
「瑞希ちゃん!どーして?どーして小倉くんじゃないの⁉」
皆ビックリしている。そんな驚く?
「どーしてって…。一週間だけだよ?」
一週間たったら終わり。また戻るんだから…。
あれから変化した事といえば…。小倉から話しかけてこないコト。もちろん私が話しかけると答えてくれる。だけど…冷たくなった…?様子も変。どうしたのかな?
次の日
「美味しー!小倉もいる⁉」
「いらねーよっ。」
「…そっか。」
私は屋上で小倉とお弁当を食べている。私から誘ったんだ。
「…元気ないね?」
「…っべつに。それより中岡はいーのかよ?付き合ってんだろ?」
中岡くん…。そういえばそうだった。あと五日。あと五日で別れる。
「…」
「…」
あたりはしんとしている。
「…逆…だね。」
「あ?」
「前と…逆だね。前はさっ小倉が話しかけてくれた!お弁当も…一緒にたべた!卵焼き…美味しかったよね?あの時…あたし。嫌ってた。でも今は逆!小倉って私の事嫌いだよねぇ。…ごめん。っでも…あと五日で別れるんだ!だからもう。私戻るから…。その時は話しかけてよね。じゃ!」
私の手は震えてる。歯を食いしばって頑張って言った。私の弁当が落ちた。
そして…階段を駆け下りた。
うう!涙がっ止まらないよー!目をこすりながら駆け下りたら転びそうになった。
「あ!」
ぐい!
腕を掴まれた。助かった…?そこにいたのは小倉。追ってきたの?助けてくれたの?わからない。それに。泣いてる顔見せたくないよっ。
「泣くな。」
うう!そんな事言われても!
「…どういうことだ⁉後五日ってなんだよ!」
え?
「っ。あっ。それは…。」
…私は中岡に告られた事。全て話した。小倉はア然としている。
「っ私。別にっ。中岡くんの事好きじゃないし。ひくっ。」
「…ふっ。」
笑ったあ⁉笑うな!アほ!っ涙堪えてるっていうのにー!
「おめー優しいな。」
え?優しい?そんな…事。ないのに。
嬉しい。嬉しかった。本当。本当に嬉しかった。やっと小倉の笑顔が見れたんだから。
そして…一週間がたった。
中岡くんとは別れ…元に戻った。土、日曜はデートもした。もちろん楽しかったけど…。モヤモヤした気持ちがあった…。
だけど今は何もかも元通り。
私は中岡くんとも小倉とも仲良しで、ふざけあったりして。いつも三人で。これが私にとってこれが幸せなのかもしれない。
「さっむー!」
「ほんとっ。寒いよね。」
今は登校中。渚と一緒だ。
「もう、12月入ったし。」
「あ!12月といえばっ!クリスマス!瑞希!3人でどこか行かない⁉」
クリスマスかぁ…。
「いーねっ!」
「あっ。でも。瑞希は小倉くんとデートの予定はいってるよねー!2人でいってくるわ!」
「え!ちょい!そんなのないし!」
うん。ない…。無いよ。小倉となんてあり得ないよ。せっかくのクリスマスは友達と…だよね。
「…前から思ってたんだけど。いつ付き合うの?」
え?いつ?付き合う?
「渚っ。言っとくけど。付き合わないから!好きじゃないし!」
「ぇえ⁉」
渚はビックリしてる。そうだよ。渚。私は付き合わないよ?だって。小倉は渚と同じぐらいの友達だもん!
そう…だよね?
小倉と私は友達…だよね?

