瑞希side


この恋は実る?
成功できる?
どうして?
どうして離れて行くの?
どうして話しかけてくれないの?
どうして無視するの?
どうして…
どうして…どうして…私はあなたの事が好きなの…?

ただ単に待つのではない。
自分から向かうのだ未来へと。

決して失敗しても、希望がある限り頑張れる。


例え相手が何であろうと私は私を信じて生きて行く。








ひらひらと散る桜…。
涼しげな風…。
目の前には大きな門…。
そう。私は今日から高校生!私はこの日を待ち望んでいた。ずっとこの制服を着るのに憧れていた。それと、私の好きな人…と一緒の高校に進学出来たこと。本当に嬉しい。
門へ一歩踏み入れるとそこには大きな桜の木、私はその桜の木を見ながら、にっこり笑う。

「瑞希ちゃんー!」
「へっ?」
私の名前を呼ぶこの子は、宮野渚。中学校からの友達。私よりおしとやかで男子にモテる。少し憧れちゃう性格。そして、私の名前は安西瑞希。自分で言うのもなんだけど結構明るい性格。
「瑞希ちゃん!高校もよろしくね!」
「うん!よろしくー!」
私たちは校庭を歩きながら話す。
「そーだ!小倉秀くんとも高校同じなんだよね?良かったね。」
小倉秀とは私の好きな人。私が小4から片想いしていた人。
「あ、うん。まぁ…ね」
私の恋はまだ未完成。なんともしっくりこない。
そこで目の前にクラス表が。
「瑞希ちゃん。何組?」
「えっと。3だ!」
渚から返事がない。
「どした?」
まさか…
「あ、あたしぃ。1だ…」
渚が寂しそうに言う。
「…だ、大丈夫!渚なら友達作れるって!頑張って!」
渚は下を向いたまま。そっと口をひらく。
「そうじゃなくって。寂しいの、瑞希ちゃんと離れたのがさみしくって。」
なんだ…そんな事か。渚はまだうつむいてる。声が震えてる。
「っ。渚は優しいね。」
昔から優しい。中1の時、一番最初に話しかけてくれたのは渚だった。
私は渚を元気づけるように。
「渚。離れても行くから!ね?」
「うん。そだね。瑞希ちゃん、小倉くんと同じだしね!」
えっ。小倉。小倉とクラス一緒?
「あ、小倉くん登場だよ?」
「えっ?」
「じゃっ。私はこれで!」
「あっちょっと!」
渚はスタスタと自分の教室へ歩いて行った。後ろから気配が感じる。まって、渚。私が小倉と話せって言うの?無理だよ?無理!だって小学校から中学校の間一言も話した事ないんだよ?そんなの…絶対スルーされるに決まって…
「あ、安西じゃん。」
来たぁー!?
「同じクラス?知ってる人お前しかいないからよろしく」
え?え?そして、小倉も自分の教室へスタスタと入って行った。私はクラス表の前で固まる…。何か暑い。胸がドキドキする。私も教室へと歩きはじめる。教室の前まできまところでバンっ!
「っ⁉」
「おっはよぉ〜う」
いきなり背中を叩かれた。
「へ?誰?」
「あーうちは野山佳菜美や!」
関西弁?
「あんたここのクラスやろ?うちもやっ!よろしゅーなー!」
その子は、ガラッと勢いよくドアを開ける。
「…」
私は呆然としている。
何か不思議な子。えっと。名前は野山佳菜美…。っあ。私の名前、教えてない…。まーいっか。
渚…私、楽しくなりそうだよ。何か、上手く行きそうな気がするよ!





秀side

俺は窓側の席で外を見つめると…。
「⁉あいつ可愛いー!」
「だろ?やっぱお前も思う?」
俺の独り言に答えたのは前の席の人。
「お前誰?」
「あっ悪りぃ悪りぃ。おれは中岡正人!よろしく!」
向こうが自己紹介して来たから俺も続けて話す。
「俺は小倉秀!よろしく!」
「おう!」
お互いの自己紹介が終わったあと、中岡が話を続ける。
「なぁ。さっきのやつ。可愛いと思わねえか?」
「思う!」
なんか話が合う。
「なんつーか、ポニーテールが似合ってる!」
中岡の言葉で俺は驚く。
「ああ。俺の初恋みたいな…。」
やっやべっ。口がすべってしまった。
「初恋?」
っと聞く中岡に俺はコクリと頷く。
そう。俺の初恋はそこにいるポニーテールの安西瑞希。でも、今は好きじゃない。なぜならふられかさら、俺は失恋したんだ。だからもう、諦める。
「んな事よりー!さっきの可愛いこのところ行こうぜ!」
「え?おい!」
中岡は俺の腕を引っ張る。






瑞希side

私は佳菜美と話していた。ちゃんと名前も覚えてくれた。すると、小倉が誰かに引っ張られているのが見えた。
「どこいくんだろ?」
「ん?瑞希、何か言った?」
「ううん。なんでもない…。あのさっちょっといってくる!」
そうして私は小倉たちの後を追った。
階段のところで私は足を止めた。なぜなら、小倉が女の子と話していたから。しかも私よりおっとりしていて、なんていうか渚タイプ。あはは…私ってば嫉妬して…。嫉妬?何で私、嫉妬なんかしてんだろ?バカみたい。





秀side

俺たちは女の子の前まで来た。
「君!名前は?」
中岡は積極的に聞く。
「えと…。中里久留美…です。」
「く、る、みちゃん?」
中岡は言った…。
「おっしゃ!中が同じ!あっ。何か心臓発作来たあぁ。保健室行く。」
「は?おい!」
中岡はそのまま保健室へ行ってしまった。
「あっあの…えと。誰ですか?」
中里が俺に話か来た。
「えーっと。小倉秀デス。」
「秀くん?秀くん…あの1年2組の教室はどこですか?」
この子…2組かぁ…。
「案内するよ。」
俺はそう言って2組の教室まで送った。途中でそこらへんの人たちが冷やかして来る。っまあ。こういうのも悪くないな…。





瑞希side

あの子はどうやら1年2組。隣のクラスか。しかし…どうして小倉はあの子と話していたの?はじめてあった人なのに…。嫉妬とか…バカみたい。私は小倉を見つめる。っと目があってしまった。私はとっさに目をそらす。小学校から一緒なのに、一度も話した事がない。これってどうなのかな?
「あ!瑞希!どこにいたん?探したんよ。」
明るい関西弁…。
「佳菜美!あ、ごめん。ちょっとね。」
「悩み事あるんならいつでも言い!相談のったるで?」
「ありがと。」
私の周りはいい人たちばかりで、嬉し い。友情関係なんて問題ない。のに…。恋愛だけはどうしてか、上手くいかない。
「佳菜美!一つだけ聞いていい?」
「ええよ。」
「小学校から一緒なのに、一度も話した事がないってまずいと思う?」
「んー…そうやな〜。嫌いな人なら別に構わへんと思うけど、そうじゃないんなら話してもええと思う…。」
佳菜美は真剣に考えてくれる。
「もしかして。瑞希!好きな人いるん⁉」
「あっ。ばれちゃったね。いるよ。そこにいる小倉。」
「あー。あいつかー。好きなんやろ?好きだったら攻めなきゃ!小倉って結構もてそうじゃん?せやから他の奴に取られてしまうかもしれへんよ?もたもたしてたらあかんで!積極的に行くんや!話しかけるんや!もしかしたら相手の気持ち、変わるかもしれへんよ⁉応援してるで。瑞希頑張れ!」
こんなに。こんなに…私の事を思ってくれてる。応援してくれてる。こんな事されたらっ…。
「佳菜美…ぅう!」
「あっ。瑞希!何ないてんや?うち変な事言ってしもうたかぁー?」
「違うの…佳菜美。嬉しいの!」
ありがとう。私、最高の友達見つけた。
「瑞希ちゃん!」
「あ!渚!渚のおかげだよ!」
「どーしたの?瑞希ちゃん?…それとその子は誰?」
「あっ。そういえば、まだだったね!渚!この子は野山佳菜美!」
「よろしくお願いします。」
「よろしゅーなっ!」
「え?関西弁⁉」
「そうだよ!関西弁で明るい子!っで佳菜美!この子は宮野渚!ほんとにいい子だよ?」
そして、2人とも私の大親友!!