「……」
やばい。あれは一応副社長代理だった…
今の切り方はまずかったな。
社会人としての未熟さを恥じ、次に湧き上がるのは
昔彼に抱いた恋慕。
そして、冷たい目と
心に残る刃の傷跡。
「いまさら、…私をふったくせに…」
―――――、私はあれから恋をしていない。
というか、あまり人を信頼できなくなった。
今なら誰のせいでもなく自分の弱さが信じる心をなくしてしまったんだとわかるけれど、
あの時は他人を敵としなきゃ自分を保てなかったと思う。
そして頭が冷えた時はもう…。
私の周りは誰もいなかった。
「それで、これは……?」
「似合うね、本当にかわいい」
さっきから私の質問には一切応えずに、かわいい似合ってるきれいだよの連続攻撃を繰り出す副社長代理さま。