オムライスを食べた後、教室に戻り、まだまだ残っている昼休みの時間をどう過ごすか、と伊吹と考えているところに担任がやってきた。


「藤堂ー、ちょっと職員室こい」

「ええっ!なんでですかっ!」

「…伊吹、なんかしたんじゃない?」

「いやいや、あたし何もしてないよっ!?」

「いいから早くこい」

「ハイ…」



担任の後を重い足取りでついていく伊吹に苦笑いしながら手を振って見送った。

担任の様子を見る限り、説教とかでもなさそうだし、大丈夫だと思うけど…
話が長くなりそうだな…、ちょっと、屋上とかにでも行ってみようかな…、今日はかなり天気いいし。


よしっ、と頷くと席を離れて教室をあとにする。















――屋上――






ギギ…っとドアを開けるとブワッと風が入ってきて慌ててスカートを押さえる。
でもその風は一瞬だけで、すぐに止んだ。外に出るとゆっくりとドアを閉めて、改めて周りを見渡す。



―――……誰もいない…。



てっきり人がちらほらいるかと思ったけど…意外だなぁ。




ドアのもとから離れて奥の方にいき、タンクがある壁のところまでいくと、そこを背もたれにして座る。





…というか、今気づいたんだけど……、この敷地の外が、見えない。…広すぎて。



ぐるりと見回すと、今いる校舎の周りには、ちょっとした森がある。その少し先に高校生用の男子寮と女子寮が見えた。もう少し先を、目を凝らして見てみると、ビルと、もう一つ一回り小さいビル?みたいなのがたっているのが見える。

……もしかしなくても、あれが大学とその寮か…。


じゃぁ、今見てる反対側が小中学生が通う校舎と寮があるのかな、と思いつつ後ろを振り返ろうとするもタンクが邪魔で上手く見えなかったので諦めた。







しばらくぼんやりと景色を眺めていると心地いい風が吹く。
眠気を誘うのに最高で、私は特に抵抗しないでそのまま眠りに落ちた。



……その時、遠くの方でバタン、と扉の閉まる音が聞こえたけど、気のせいだろう…。