夕餉の支度に、入ろうと台所へ入った瞬間、沙彩の頭に冷たい水がかかった。
「!?」
ふで「あんた。勇になに言ったんだい?」
「っ!?こ、近藤さん…ですか?」
ふでは沙彩の顔を見ると再び桶の中に入っていた少しの水を顔へかけた。
ふで「あの時、勇の再び部屋へ行ったんだろ?告げ口するなんて、なんてずる賢い子なんだい!!!」
「そんな、告げ口だなんて…」
ふで「あたしの恩をもう忘れたってのかい?親のいないあんたを面倒みて、芸妓のイロハを教えてやったのは誰だい!?このっ!!!」
「!?っ」
空になった桶をふでが沙彩の頭めがけて振り上げる。
「いったいなぁ……ふでさんもう少し優しくしてもらいたいもんですけど?」
ふで「!?そ、総司…」
「!」
総司の腕にふでが振り上げた桶が当たっていた。
総司「ふでさん、なにしてるんですか?」
「…沖田さん…?」