特別、普通。

「あの・・・」



私は最初、自分が話しかけられているとは思わなかった。だけど。


そう、それは私の名字だ。


呼ばれたのは私だ。


そして振り返ってみれば、やはり私の知らない、誰かが目の前に立っていた。


いや、少し訂正する。


私よりも早くここに来ていた、学生だった。


でも名前は知らないので。



「・・・誰ですか?」



私は素直にそう聞いた。


もし知り合いだったら、とかそういう気持ちがなかったわけではない。


嘘だ、全くなかった。



「隣のクラスの風上(カザカミ)って言うんだけど・・・」



私は驚いた。


彼が同じ学校の生徒だったことに。そしてその名前を聞いたことがあるということに。