ある日、和に誘われた中学生が集まるというクラブ。

愛乃に会って、その人懐っこさに負けていろいろ話をした。
彼女のことも、愛乃には話せた。


あの時は、誰でもいいから俺を受け止めてほしかったんだと思う。
助けを、求めてたんだと思う。
今思うと、俺ってただのわがままだなって…。


その彼女の話を愛乃にしたら、
愛乃が一言言ったんだ。



「私が、覆してあげようか」


俺が失った、笑顔で俺を見る。
…何を覆すんだ?
俺が戸惑った顔をしてると、それを悟ったのか


「だから、雅也と付き合った女の子2人とも3ヶ月たたないうちに…亡くなってしまったんでしょ?
じゃあ私が雅也の彼女になって生きる。
私が、そのジンクス…みたいなの、覆してあげる」

「生きる」なんて言っても、人間死ぬ時は死ぬんだ。
俺と付き合ったら、自分が死んでしまうかもしれないのに。


愛乃の目はまっすぐに俺のことを見つめていた。
愛乃…頼っていいか?


俺は愛乃の差し伸べられた手をそっと握ったんだ。
あの時の愛乃の笑顔は…

今も俺の心の中に残り続けている。