「3年生のあの先輩。
あんたなら、言わなくてわかるよね。
あの先輩3人のうちの誰かなんでしょ?」
わずかながら、赤城が反応したことを悟る。
ビンゴ…ですね。
「…だったらなに」
あれだけ積極的に猛アタックしてきたのに、何急に冷たくなってんだか。
まるで、自分を見ているみたいで笑えた。
「あの先輩達、遊び人らしいけど?」
「だったら?」
この返事は、既に知っていたと言うことをものがたっている。
赤城が知っているということは、有原も知っているんだ…
「別に。知らずに付き合ってたら悲しいからね。知ってるかだけ聞いてみたんだよ。悪い?」
本心、赤城達が誰と付き合っていようが自分には無関係なことなので。興味すらないですけどね。
「あ…そ」
赤城がちょっと悲しい顔をしたように見えた。
その後は両者一言もしゃべらずに、黙々と数学の授業を受けていた。