「赤城。」
「へっ…は?」
4時限目、数学。
赤城と話す時なんて、授業中くらいしかないよ。
いつも女子に取り囲まれてるからね…
「お前、彼女いるんだって?」
明らかに動揺している赤城に聞いた。
「え、おう…」
あんだけ冷たくした態度とってたのに、
こっちから話しかけてきてるんだから
そりゃあ戸惑うんだろうね…
ましてや『赤城』だよ。
赤城くんとか、下の名前で呼ばれることがほとんどなんじゃない?
「誰?」
あの先輩の誰かなんでしょ。
「…なんでお前に言う必要がある?」
簡単には教えてくれなかった。
「質問に答えて」
「だから、言う必要あるのか?
そっちこそ俺の質問に答えろよ」
時間が長引く…
しょうがないか。