私の右手、シャーペンを持った手は止まっていた。 …ダメダメ。プリントやらないと。 授業についていけなくなる。 勉強がわからなくなる。 テストの点が悪くなる。 健人に嫌われる。 それだけは、避けたいよ。 机についている知らない男子と堀井の視線が私に向いているのがわかる。 それに気づかないふりをして、プリントをそそくさと進めた。