助けてもらったはいいものの、
美音に恐怖が襲い掛かったのは言うまでもない。
―この日を境に、美音は変わった―
前のような、性格はなくなった。
男子に関わらなくなった。
男子に笑顔を見せなくなった。
男子に対する優しさはなくなった。
女子と男子の接し方が、恐ろしいぐらいに違うんだ。
前まで女子と男子で話し方が違うなんて、ありえなかったのに。
『ひいき』なんて、絶対しなかったのに。
裏表ができたんだ。
顔は大人になるにつれて、美しくなるばかり。
ならせめて、内面だけでも最悪な人を装って男子を寄せ付けなくしたかったらしい。
その努力はむなしく、今も告白の嵐だ――――――――――――
