「松崎玲奈っていうの。
嫌なやつでね、ホント…」
「ねー。いつも人の上に立ちたがるしさー。」
「そーそー。しかも欲しいものは強引に手に入れるし。」
女たちが口々に言う、松崎玲奈という女。相当嫌われ者らしい。
雅也にベッタリくっついて、話しかけていた。
近くの女は何もできない状態で、それを見つめている。
…逆らえないのか?
「翔平くん、気を付けてね!!!」
一人の女の言葉にのっかるように、
「そうだよ!」
「玲奈に捕まったら終わりだから!」
などの言葉が飛び交う。
「でもさ、美音が男子に対してそっけない態度になったのって、玲奈のせいじゃないの?」
急にまたあの美人の名前がでてきてビックリした。
「そうなの?」
俺が聞くと、周りの女達がざわつき始めた。
「わたしが説明するよ。
もうあってはならないことだから…
翔平くんも、みんなも…聞いて?」
一人の女が口を開いた──────
