「そ…そう…。あのさ…、
あんた、めっちゃ可愛いんだから
睨むのはよそうよ。ね?」
へこたれてる暇はない。
こいつをおとすまでは…って思ってたけど。
その瞳で…
俺のこと、見つめないでほしい。
俺の決心…折れそうになるんだ。
「そ。ご忠告どうも。」
俺を見ていた瞳の視線は、すでに別の方へ移っていた。
美しすぎる横顔。
こんな美人、この世に存在するんだ…。って思えるぐらい。
そう感じるたびに、
《絶対おとさなければいけない》
という衝動に駆られてしまう。
「あんたさ、めっっっっちゃ可愛いよね。
美人っていうのか。
俺、聞いていなかったんだけど…
名前なんていうの?」
《美音さん》
と先生が言ったのを、俺はちゃんと聞いていた。
ただ、こいつから本名を聞きたかった。
それだけ…。
