最後の男が話し出した。
「進藤 雅也(しんどう まさや)。
…よろしく。」
『キャーーーーーーーー! ! ! ! !」
…鼓膜が破れます。
進藤雅也。
前髪が長くて、目がよく見えないけど…
美男子なんじゃない?
背は、赤城って人と同じくらい…
スタイルもよくて、モデルみたい。
真っ黒な髪にキリッとした唇。
さっきの二人とはまた違う雰囲気が漂っていて…
話しかけられるのも、話すのも嫌そう。
クール。っていうか暗い?
このタイプ、今までそこまで見たことないな。
たぶん、告白なんてしてこない。
恋愛ってのに興味なさそう。
私にとっちゃ好都合だ。
ま、今回の転校生は男ってことで興味はないし。
頬杖をついて窓の外を眺めた。
校庭の端にある2本の桜の木。
ピンクの花びらはきれいに散っていて
緑の葉が枝いっぱいに広がっている。
もうすぐ…夏休みか。
