「お母さん・・・・・・」


止まらない。

怖さだけが口から溢れだして、熱く滲む。

歪んだ視界が怖くて、目を閉じる。


涙が、はたりと布団に落ちていく。


「僕、忘れられちゃうのかな」


それは、果てしない不安であれば

それが、最悪の結果であって。

弱さだけが口をついて出る。


本当は、

そうであってほしくないと


縋るような傲慢で。

何が僕をこうしたのか、わからない。


大切なものが多すぎて、

失うことが怖い。

すべてが大切すぎて、

どれも失いたくない。