「なんと、もっちーが倒れました」


朝学活の佐野さんは、かなり深刻そうに告げた。

級長が倒れたのだから、無理もないが。


「つ、ついにもっちーが・・・・・・」


「もっちー、死す」


「いーやー」


「ひゃー」


なんとも危機感がないのは言わずもがな女子二名である。

今日も大爆笑である。

かなり反感を買いそうである。


女子1の隣の、もっちーと同じ苗字を持つ佐藤都鼠、ちゅーさんは後ろの席で伏せているふーみんをトントンと叩いて起こした。


「風呂敷じゃあ今日あれじゃん、号令とかやんないとじゃない?」


「ん?・・・ああ」


後期級長が倒れてしまったとあれば、当然のように前期級長、坂井風呂敷の出番であるのだが・・・・・・


「マジ腹痛い・・・・・・」


「え、何、妊娠?」


何か、ふーみんも具合が悪そうである。

そしてちゅーさんもちゅーさんで目の前の病人に対しても小悪魔である。

そうしてふーみんはまた机に伏せてしまった。

ちゅーさんが何か言いたげに女子二名を交互に見たが、別にいつものことである。


もっちーのいない教室は、どこか色が抜けたようだった。