風が一気に凶器と化し、
肌を突き刺し麻痺させていく。
雪だけが無言で降り積もり、真っ白になった視界からも寒さを感じて心までも凍傷を起こしそうになる。
そんな季節、
インフルエンザが学級を襲い、閉鎖するところも除々に増えてきた。
誰かが言わないとわからないくらいの速度ではあるが、それでも確かに街は侵食されている。
いわば、受験生にとって、予防接種が必須な時期。
教室ではマスクをする人が増え始め、
静かなはずの授業中は咳き込む音で騒がしい。
鼻をすする音も多く、正常な人間からしたらこれほど迷惑なこともないだろうと思う。
ティシュ箱が机の上に常時あがっている人も少なくない。