「傘貸してやろうか?こんなこともあろうかと、心優しい俺は折りたたみ傘を常備・・・・・・あ、ないや」
「え、いいよそんな悪いし・・・・・・って、ないんかい」
「てへ。誰かのパクれば?」
自分で頭をコツと小突いてウインクするちゅーさん。
しかし次の瞬間にはブラックな表情になって何の迷いもなく傘立てから一本傘を抜き出す。
「ほら、これとか。傷もついてないし」
「そんなニンジン選ぶときみたいな・・・・・・」
「大丈夫だって。これで誰かが『傘盗まれたー><』とかなっても告げ口しないから。じゃ☆」
にこにこしながらそそくさと退散していくちゅーさん。
もっちーは、手渡されたビニール傘をしばらく見つめて。
もう一度外を見て。
相変わらず斜めに降り続ける雪を見て。
白い息を吐き出しながら玄関を後にした。
ふーみんが来たのは
その数秒後の出来事である。
こうして事件は一つに繋がっていくのだった。

