もちモノガタリ



少しだけ早口に紡がれた言い訳に、眉を、ひそめた。


「keyman、さあ。これビニール傘だから、後ろから人来たら、バレるから」


「大丈夫、坂井さんフードかぶってるから」


「あ、ぁ、そうか・・・・・・」


「どうせ何やったって、赤鼻のトナ坂さんはみんなの笑い者なんだから」


「それを言うか。ってかトナ坂さんて何だ、派生?w」


「でも、暗闇でピカピカ光るんでしょ?ねえ、やって見せて」


目をキラキラ輝かせながら無茶振りをするきーさんに、半ば呆れて。

やわく、笑ってみた。


「ってかだって今暗くねーしw」


「えー、じゃあ・・・・・」


ふーみんのフードを思い切り引っ張って、かろうじて自分も入る。

鼻と鼻がくっつきそうなほどの至近距離。


「これで真っ暗、ね?」


「ッ~~~!!」


そのあと思い切り殴られたきーさんを哀れむ気は微塵もない。


「痛いよぉ坂井さぁぁぁん」


怒って走って逃げていくふーみんを慌てて追いかけるきーさん。

その遥か後方で、軽く一部始終を見ていた女子2名の間で、しばらく二人の恋愛について語られたことを知る者は、誰もいない。